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2020年11月21日土曜日

イトーキの業績分析

   日経平均がとても上がってきていますね.つい先日26,000円を突破しました.これはバブル後の1991年以来だそうです.株価が上昇したことで予算の少ない人には買いにくくなってきました.しかし,まだまだ安く買いやすい株もあります.そのひとつが事務用品・各種設備を扱うイトーキです.一般消費者向けの商品としてはオフィスチェアがあげられます.イトーキの株価は2020年11月19日の終値が330円です.単元株式は100なので33,000円から投資することができます.配当は13円であり,利回り約4%と高いのも魅力的です.それではイトーキの分析をしていきましょう.まずは株価です.

                                            イトーキの株価の推移

                           TradingViewを用いて作成)

   株価は2017年終わり頃900円程度でしたが,そこからずるずると下がってきています.2019年8月ごろから回復基調にあったものの,新型コロナウイルスの流行を契機にずどんと下落し今なおその状態が続いています.なぜ2017年頃からイトーキの株価は下がっているのでしょうか.決算書や有価証券取引所などを参考に考察していきたいと思います.

<売上高と純利益>
 まずは売上高と純利益です.下にイトーキの売上高と純利益の推移を示します.なお2020年度の値は会社発表の予測値を用いています.売上高に関しては今年度こそ新型コロナウイルスの影響のため前年比4.2%減となっていますが,2011年度以降2019年度まで比較的順調に上昇していたことがわかります.一方,純利益は売上高が順調に上昇しているにも関わらず2015年度をピークに大きく減少しています.自己資本利益率(ROE)は一桁%台であり,売上が上がっているものの利益が伸びていないのが株価低迷の原因だと考えられます.では,なぜイトーキの純利益は減少しているのでしょうか.



イトーキの売上高と純利益の推移

<販売費および一般管理費の増大>
 下に売上総利益と販売費および一般管理費と推移を示します.売上総利益は売上高の上昇と連動して順調に伸びているように見えます.売上原価が増大したということはなさそうです.気になるのが2016年度以降の急激な販売費および一般管理費の増大です.売上総利益の増大を大きく上回るペースで増えています.これが純利益の減少の大きな理由と言えそうです.



販売費および一般管理費の内訳は?

 2017年度の決算説明会の資料によると物流費や人件費の増加を販売管理費の増加の原因として挙げています.有価証券報告書によると2019年度の販売費および一般管理費は407.76億円です.そのうち従業員の給与や賞与が約170億円で,2016年度の約150億円と比べて20億円増加しています.従業員の給与と研究開発費以外の販売管理費の残り200億円に関しては内訳の記載がありませんが,ここに物流費やオフィスの賃料などが含まれており,物流費の増加によって販管費が増大している可能性があります.また,2018年秋に東京の日本橋に新本社オフィスを設置していますが,これによって賃料が増加している可能性もあります.

<まとめ>
 今回はイトーキの業績分析を行いました.売上高は増加しているものの販売費および一般管理費の増大によって利益率が減少しているため株価が低迷していることがわかりました.新型コロナウイルスの流行によりテレワークを採用する企業が増え今後の業績は不透明ですが,2020年度の売上高予想を見る限りは劇的に減少するわけではなさそうです.販売管理費をうまく抑制すれば増益となり株価上昇の可能性もあるのではと感じました.今後に注目していきたいと思います.

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